'02/09/29〜09/30 |
全日本暇人協会 瀬音の森 グループ沢胡桃 荒川水系渓流保存会 |
坂本 隆彦(記) 大村 和也 関根 長南 藤木 秀明 吉川 |
初秋の入川源流部 |
坂本が所属している森林NGOグループ「瀬音の森」源流部会のメンバーと奥秩父入川源流部に釣行してきましたので報告します。初日は雨に祟られましたが、鰭の赤い秩父岩魚にも会え今年の源流行の最後を飾ることができました。 |
2002/09/28(土) 入山祝いの会場で寝袋に包まりながら、駐車場に降る雨音を聞いていた。強まる雨脚に、予定していた水晶谷釣行は行き先変更の気配が濃厚になってきた。 5:00 寝袋からもぞもぞと這い出し、雨空を見上げながら、集まった仲間と行き先を相談する。 「この雨じゃ水晶谷は厳しいなぁ」 「じゃあ、入川の柳小屋でノンビリと宴会モードと行きますか」 入川のゲートまで車を走らせ、合羽を着て森林軌道を歩き出す。右手に見える流れにはまだ濁りは入っていない。 「このぶんなら釣りもできるかな」 などと話しながら平坦な道を快適に歩く。 |
急坂に備えて休憩 | 信玄ブナ |
暫くして、尾根越えの急坂に差し掛かる。道はしっかりしていて、この天候にもぬかるむ事は無かったが、合羽を着ての急坂はやはり暑くて辛い。襟元から立ち上る湿気でメガネが曇って困るのだ。そう言えば早出のアプローチでもメガネが曇りで苦労した。曇り止めは必須なのに忘れてきた(^^; |
柳小屋到着 | 釣りをしようか昼寝をしようか |
立派な避難小屋 | しかし外は豪雨で濁流 |
雨の中、だらだらと続く山道を3時間半歩き柳避難小屋到着。荷物を下ろし釣り支度を整えているうちに、さらに雨脚が強まり小屋の前の流れは濁流に。 とりあえず沢割りをして各自竿を出す。 坂本は小屋のすぐ前で毛鉤を投げるも、釣れるは木の葉ばかりなり。ますます濁りが入る流れに諦めモードになったところで、上流から降りてくる藤木氏に声を掛けられる。 「水が多くて遡行ができないよ。これじゃ釣りにならないな」 「小屋に戻って寝るか〜」 睡眠不足も手伝って、小屋で爆睡。2時間ほど寝ただろうか。下流に入った関根氏が戻ってきた。 「餌釣りだと爆釣ですよ」 良型を魚篭からだして並べる。うーむ、寝ないでもうちょっと頑張れば良かったかな(^^; 僕と同じく小屋の前で竿を出した吉川氏も1匹上げたそうだ。餌はトイレの前で捕まえたカマドウマ。 |
今日の収穫 | 居酒屋状態の避難小屋 |
宴会は続く |
関根氏が釣った獲物をさばいて、早々に宴会の準備にかかる。岩魚の刺身、蒲焼をはじめと小屋中に並ぶ料理は、ほとんど居酒屋状態だ。 焚き火ができないのは寂しいが、藤木氏の炊いた飯は焦げも無く絶品。酒も豊富で腹一杯飲み食いし、源流の夜は更けていく。 2002/09/30(日) 目を覚ますともうすっかり明るくなっていた。天気も回復し、水量も平水だ。 藤木氏、大村氏、吉川氏が、S沢滝上に上がり魚止め確認に、 関根氏と坂本がM沢を釣りあがる事になった。 |
小屋上流の吊橋 | 良型の秩父岩魚 |
昨日とは打って変わって水の減った渓を快適に遡行する。 やがて魚影が走り始め、投げる毛鉤に岩魚が飛びつく。秩父岩魚だ! 赤い鰭は秩父ネイティブの特徴だ。ただ源流とはいえ、入渓者の多いこの渓の魚は結構スレている。 少なくも2回、尺は有ろうかという岩魚が毛鉤の下でUターンした。 悔しい〜。 |
同行していただいた関根さん | サンゴハリタケ |
毛鉤を投げながら快適な遡行を続ける。岩魚の反応も良く、時折キノコの収穫もある。 関根氏が大きなサンゴハリタケを見つけた。初めて見たが甘い鮮烈な香りのするキノコだ。 |
大物狙いで餌竿に替える関根氏 | 最後に毛鉤を食った良型の秩父岩魚 |
秩父の渓は傾斜がきつく滝が多い。滝の釜に出会うと関根氏はテンカラ竿から餌竿に持ち替え、底から良型を釣り上げる。 大場所の岩魚は底に付いており、テンカラではなかなか難しい。 交互に竿を出しながら進み、昼過ぎになって脱渓点を探す。登山道に出るべく目星を付けた斜面を這い登るがどうも様子がおかしい。 本来の脱渓点のはるか下流の斜面を登っていたようだ。 あわてて谷底まで戻り、上流へ急ぐ。あせって歩いたため、踏み跡を見失って大高捲きになってしまう。昼飯も食えなかったため、脱渓点を見つけたときにはヘロヘロの状態だった。 あわてて斜面を駆け下り、仲間の待つ小屋に着いた時には、もう15:30をまわっていた。 ザックに荷物を詰めなおし、帰途についたのが16:10頃。 尾根越えの途中で暗くなりヘッ電を出し、暗闇での急登で例によって坂本がバテてきてペースが落ち、車止めに着いたときはもう20:00をまわっていた。 暗闇の中で着替え、来期の釣行を約束して2002年の源流行の締めくくりとなった。 収穫したサンゴハリタケは、酢の物と味噌油炒めにした。酢の物は茹ですぎたせいか香りが抜けてしまい今一つであったが、良く絞って炒めた味噌油いためは香りが立って素晴らしかった。 |
記 坂本隆彦 |