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■2009/07/28〜30

谷沢釣行

参加者:新発田(記)

 

(前日)
車止めにて方向転換で後輪が溝にはまり、私の車はカメさん状態になる。『またか!・・・』谷沢に来る度に運転ミスし、今回も嫌な予感がしてくる。雨降る中、ジャッキアップし浮かした後輪に石を噛ませ2時間も掛かって脱出できた。すでに、その場で蛭の歓迎を受け足のスネから血を吸われる。雨は時々強く降り、川は増水「今日は止めろ!」と云ってる様だ。・・・出発を1日遅らせる事にした。

7/28日(一日目)
車の中で朝を迎えた。谷間を霞が垂れ込める。そして時間と供に陽が指して来る。昨日までのマイナス思考から、次第に強気な気分になって来た。


入渓地点は何の疑いもなかった。林道は直ぐに崩壊している事は分かってもいた。蛭を必要以上気にしたせいか、そのまま沢を行ってしまう。徒渉に慣れて来た頃だった。2段の砂防ダムが現われ・・・それを越えていなかった。本来なら、この堰堤バックウォーターを過ぎてからが入渓点だった。結局そのまま高巻き、時間と労力を費やす。


「F1」

F1通過は11時になってしまった。その後も予想以上に滝が頻繁に現われる。危険箇所にはその都度、虎ロープが下がっていた。しかしそれは釣り人の入りやすい始めの箇所だけだった。渓相は穏やかになったり厳しくなったりと。たとえば左岸を高巻まく滝などは情報を得ていたから良かったものの、一筋縄で越えられないほどだ。また、他の滝などでは細い木の根までも手掛かりにようやくクリアした。
いずれにしろ、ここまで来ると虎ロープや残置ロープは少なくなり、自力で越えねばならなくなる。またそれらの途中にて左岸の山が二カ所崩れた所があり、その一つにはブナの巨木が(おそらく昨日)倒れたばかりに青々した葉を付け、沢を堰止める異様な光景だった。

「行く手に倒木が横たわる」

沢は表情を次々に変化させ飽きさせない。ただ、竿を一度も出す暇を与えてくれなかった。予定の倍以上費やし、ようやく16時半、又佐衛門沢にたどり着きテン場とした。降り出した雨の中、飯と酒を胃に流し込み、テントに潜って寝てしまう。

7/29日(二日目)
またまた今日も雨の朝、梅雨明けは本当にまだの様である。少し水量は多いが、空身で上流を詰める事にする。15mの大滝の上は穏やかなところと訊く、是非イワナの様子を観てみたいものだ。
ところで、この谷沢の中流域に限っては、実は会友と一ヶ月前に釣行で訪れている。しかし大滝の上は見ていない。

「救出されたカエル」

テン場より10分もすると、斜めトヨ状の滝がある。その巻き込みにてイボ蛙を発見。必死の平泳ぎ(蛙は手を使わない)だが抜け出せない。私はタイミング良く手を差し延べ救出した(つもり)。岩に乗せた蛙は動きを止め こころもち目が虚ろであった。
蛙の恩返しを期待しつつ、滝壺左岸をヘツって、私は上部もそのまままとめて登っててしまう(上段は飛沫の中に足を入れるらしい?)。その後すぐ左岸より大清水沢が現れる。大物イワナの気配はあったが、次の滝と遡行に集中した。その『4mの滝』だが、前回は左岸の岩棚に上って巻いた。しかし単独の今回は怖じ気着いてしまう。そして、沢底に降り直すと泳いで左岸の岩に渡った。ダメで元々と左岸の壁をペタペタ上がってみると横にクラックが走っており、なんとハーケンが打ってある。セルフビレーし、対岸の流木に投げ縄を架ける。上手く行ったが、足元の流れが強いのにはヒヤッとさせられる。
このあたりスラブ状のゴルジュが続く。やっとテンカラ竿を振ってみる。薄い醤油色ぽい沢はいつの間にか透明に戻っていた。空も晴れて来る。天候異変のせいだろうか?イワナの出はイマイチだった。

 

 

「左岸より美しい3条3m位の大倉沢に出合う」

私はこれより上流は始めてだった。竿を仕舞い。先を行くと、2段7mの滝が見えた。

数ある滝にウンザリし、小雨も降り出し時間的にも引き返す事にした。が、しかし、その先が気になり滝の上に登ってしまう。それほど変哲もない事に納得し、戻ろうとすると簡単にバック出来なくなり、ザイルを出してしまう。
その後も、来る時散々手こずった『4mの滝』も、滝上の狭い落ち口(ゴルジュ状)に2m程の流木を挟みザイルで懸垂する「登ったらよいが降りられない」滝の下降に、自分ながら早めに引き返した事に「正解!」と思ってしまう。
テン場に近い又佐衛門沢で数匹のイワナが釣れる。一匹を持ち帰り刺身で酒を呑む。本降りになった雨に、やっと点けた焚き火は呆気なく消されてしまい。夜中には、寝ている背中にじわじわ雨水が回って来ってしまう。

7/30日(三日目)
寝苦しい状態で夜明けを待つ。横になったまま下山方法を思案する。
来たコースを戻るには、幾つもの滝が飛び込んで泳ぎ下るほど易しくはない。蛭の発生は下部ほど多くなるだろう。すでにテントで寝てる間に蛭にやられ 、首が血だらけだった(一人だから自分の顔面については分からなかった)これ以上うんざりだ。
どのルートが楽か判断出来ないが、雨も心配だった。前回教えてもらったエスケープルートを使い確実に帰る事にした。時間は掛かったが無事車に戻ることが出来た。
3日間は夏にしては涼しく、何よりメジロ虻がほとんどいなかった事は幸いであった。ただ上流部、15m滝上に行けなかった事は悔やまれてならない。

 


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